
「世界一周が100万円台で実現できる」――そんな魅力的な広告を目にしたことはありませんか?しかし、パンフレットに大きく書かれた「100万円」は、実は旅行代金の一部に過ぎません。本記事では、クルーズ業界のプロの視点から、広告には載らない「隠れコスト」の正体を徹底解説します。
さらに、通信費や観光費を劇的に削減する実践的な節約術もご紹介。賢い選択で総額を抑え、浮いた費用で贅沢な体験を楽しむ方法をお伝えします。「こんなはずじゃなかった」と後悔する前に、ぜひ最後までお読みください。
・「100万円」は旅行代金のみ。実際の総額は200万円超えが普通
・通信費・観光費・チップなど、削れる費用が50万円以上ある
・プロに相談すれば、予算内で最適なプランが見つかる
世界一周クルーズは100万円で可能?

- 世界一周クルーズが100万円で叶う?
- 世界一周クルーズの平均費用はいくら?
- 世界一周クルーズの費用は安い?
- 世界一周クルーズは1か月でいくら?
世界一周クルーズが100万円で叶う?
「100万円で世界一周クルーズ」という広告は、決して嘘ではありません。しかし、この金額は「基本旅行代金」のみを指しており、実際に必要な総額とは大きく異なります。
広告価格に含まれるのは、最も安価な内側客室(窓なし)の宿泊費と基本的な食事のみ。寄港地観光、船内通信費、アルコール飲料、チップ、港湾税などは一切含まれていません。特に注意が必要なのは以下の3点です。
第一に、港湾税・国際観光旅客税。これは乗船後に必ず請求される費用で、世界一周の場合は30万円〜50万円が相場です。第二に、チップ(サービス料)。多くの船では1日あたり15〜20ドル(約2,000〜3,000円)が自動的に請求され、100日間で20〜30万円に達します。
第三に、船上通信費。衛星回線を使用するため、1日5,000円〜1万円という高額設定が一般的。100日間フルに使えば50万円〜100万円の出費になります。
| 費用項目 | パンフレット表示 | 実際の必要額 |
|---|---|---|
| 基本旅行代金 | 100万円 | 100万円 |
| 港湾税・諸税 | 記載なし | 30〜50万円 |
| チップ | 記載なし | 20〜30万円 |
| 通信費 | 記載なし | 10〜100万円 |
| 寄港地観光 | 記載なし | 30〜50万円 |
| 実質総額 | 100万円 | 190〜330万円 |
つまり、「100万円」という魅力的な数字だけで判断すると、実際には200万円〜300万円以上の予算が必要になるのが現実です。ただし、後述する賢い節約術を活用すれば、この追加費用を大幅に削減することが可能です。
世界一周クルーズの平均費用はいくら?
世界一周クルーズの現実的な総額は、一人当たり200万円〜500万円が一般的な相場です。豪華客船のスイートルームを選択する場合は、1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
この価格には、船室のグレード、食事の質、エンターテインメント、スパ施設、寄港地観光の充実度など、あらゆる要素が影響します。特に大きな差が出るのは以下の3点です。
客室グレードによる価格差は2〜10倍。内側客室(窓なし)を選べば100万円台前半、バルコニー付きなら200万円台、スイートなら500万円以上が目安です。寄港地観光の選択も重要で、船主催のオプショナルツアーを全て申し込むと30万円〜50万円の追加費用が発生します。
さらに、船内での追加出費として、アルコール飲料(1杯500円〜2,000円)、スパ・マッサージ(1回1万円〜3万円)、写真購入(1枚2,000円〜5,000円)などがあります。これらは「ついつい使ってしまう」性質のもので、気づけば数十万円の出費になっていることも。
| グレード | 客室タイプ | 想定総額 |
|---|---|---|
| エコノミー | 内側・最安値 | 200〜250万円 |
| スタンダード | 海側・バルコニー | 300〜400万円 |
| プレミアム | ジュニアスイート | 500〜700万円 |
| ラグジュアリー | スイート・最上級 | 1,000万円〜 |
ただし、コストを抑えながら満足度の高い旅を実現する方法は確実に存在します。次章で詳しく解説する「通信費8割削減」「観光費半額」といった実践的なテクニックを活用すれば、総額を50万円〜100万円単位で削減することも可能です。
世界一周クルーズの費用は安い?

「クルーズは高級」というイメージがありますが、近年では多様な価格帯のプランが登場しています。特に注目すべきは、「見かけの安さ」と「実質的なコストパフォーマンス」は別物であるという点です。
確かに100万円台のプランは存在しますが、前述のとおり追加費用が膨大です。一方、300万円のプランでも、港湾税・チップ・一部観光が含まれている「オールインクルーシブ型」なら、結果的に総額が安くなるケースもあります。
さらに重要なのは、削減可能な費用の見極めです。例えば:
通信費の削減: 船の衛星WiFiは1日5,000円〜1万円ですが、寄港地で使えるレンタルWiFiなら1日500円〜1,000円程度。100日間で50万円〜90万円の節約になります。
観光費の削減: 船主催ツアー(例:ローマ観光15,000円)を、現地手配アプリで予約すれば半額以下(7,000円程度)で同等の体験が可能。全寄港地で実践すれば20万円〜30万円の節約です。
保険の見直し: クルーズ会社が販売する旅行保険は割高な場合があります。クレジットカード付帯の海外旅行保険(年会費1〜2万円のカードで数百万円補償)を活用すれば、保険料10万円〜20万円を節約できます。
つまり、「安いプラン」を選ぶことよりも、「無駄な出費を削る知識」を持つことの方が、はるかに重要なのです。
世界一周クルーズは1か月でいくら?
世界一周クルーズは通常90日〜120日間ですが、最近は「世界周遊ショート」として30日〜40日のプランも増えています。この場合の費用は80万円〜200万円程度が相場です。
ただし、「期間が短い=安い」とは限りません。1か月プランには以下のような特徴があります:
メリット:
– 基本旅行代金が抑えられる(90日プランの40%〜50%程度)
– 仕事や家庭の都合で長期間空けられない方に最適
– 主要な観光地(地中海・カリブ海など)を効率的に巡れる
デメリット:
– 1日あたりの単価は長期プランより割高(規模の経済が働かない)
– 寄港地が少ないため、観光の選択肢が限られる
– 航空券が別途必要な場合が多い(往復20万円〜40万円)
| 期間 | 基本旅行代金 | 追加費用目安 | 総額目安 |
|---|---|---|---|
| 30日間 | 80〜120万円 | 30〜50万円 | 110〜170万円 |
| 60日間 | 150〜250万円 | 50〜80万円 | 200〜330万円 |
| 90日間 | 200〜350万円 | 70〜120万円 | 270〜470万円 |
1か月プランを選ぶ場合も、通信費や観光費の節約テクニックは有効です。特に寄港日が限られるため、1日1日を無駄にしない効率的な観光プランニングが重要になります。
世界一周クルーズで総額を抑える賢い方法

- 通信費を8割削減する裏技
- 観光費を半額にする現地手配術
- プロに予算を伝えて最適プランを探す
- 格安クルーズの落とし穴
- 安心して選べる予約先
- 主要クルーズ船の料金比較
- 世界一周クルーズは100万円で可能かのまとめ
通信費を8割削減する裏技
世界一周クルーズで最も「無駄な出費」になりやすいのが通信費です。船の衛星WiFiは1分単位で課金され、普通に使うと100日間で50万円〜100万円の請求が来ることも珍しくありません。
しかし、賢い旅行者は「寄港地WiFi戦略」を実践しています。具体的には:
戦略1: レンタルWiFi端末を持参
寄港地に着いたら電源を入れ、船に戻ったら電源を切る。この使い方なら、電源OFFの日は通信料0円という画期的なプランを提供する業者があります。100日間のうち70日が洋上(電源OFF)、30日が寄港地(電源ON)とすれば、通信費は3万円〜5万円で済みます。
戦略2: eSIMアプリの活用
スマホにeSIMアプリをインストールしておけば、寄港地ごとに現地SIMを購入する手間なく、即座にインターネット接続が可能。1日500円〜1,000円程度で高速通信が使えます。
| 通信手段 | 100日間の費用 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 船の衛星WiFi | 50〜100万円 | 洋上でも使える | 超高額・遅い |
| レンタルWiFi | 3〜5万円 | 電源OFF時0円 | 寄港地のみ |
| eSIMアプリ | 3〜5万円 | 即座に接続可能 | スマホ操作必要 |
重要なのは、「船の通信費は絶対に使わない」という強い意志です。家族への連絡や写真のアップロードは、寄港地に着くまで我慢する。この1つのルールを守るだけで、浮いた50万円〜90万円で、高級レストランのディナーやエクスカーション(寄港地観光)を存分に楽しめます。
観光費を半額にする現地手配術
寄港地観光で「船主催のオプショナルツアー」に全て参加すると、30万円〜50万円の出費になります。しかし、同じ内容のツアーを現地手配アプリで予約すれば、半額以下で楽しめることをご存知でしょうか?
例えば、ローマ寄港時のコロッセオ観光を比較すると:
– 船主催ツアー: 15,000円(バス送迎+ガイド付き)
– 現地手配アプリ: 7,000円(同等の日本語ガイド付きツアー)
この差額8,000円×20寄港地=16万円の節約になります。
現地手配のメリットは価格だけではありません。船のツアーは大人数(40〜80人)での移動が多く、集合時間に縛られます。一方、現地手配なら少人数(10〜15人)で自由度が高く、自分のペースで観光できます。
ただし、現地手配には「船の出発時間に間に合わない」というリスクもあります。これを避けるため、以下の3つのルールを守りましょう:
1. 船の出発時間の3時間前には戻るツアーを選ぶ
2. 港から近い観光地を優先する(移動時間を短縮)
3. 万が一に備え、船の連絡先を常に携帯する
これらを守れば、安全に、そして大幅に節約しながら、質の高い観光体験が可能です。
プロに予算を伝えて最適プランを探す

「自分で調べて予約する」のは確かに楽しい作業ですが、クルーズは複雑な商品です。同じ船・同じ日程でも、予約時期・部屋のグレード・特典の有無で価格が数十万円〜数百万円変わります。
ここで活用すべきなのが、「予算を伝えて、プロに複数社の見積もりを取ってもらう」サービスです。特に以下のような方に最適です:
– 「総額250万円以内で、できるだけ良い部屋に泊まりたい」
– 「100万円台で世界一周をしたいが、安全性も重視したい」
– 「早期割引やキャンペーンを逃したくない」
旅行会社によって扱っている船会社や、持っている在庫(空室情報)が異なります。1社だけに問い合わせると、その会社が扱っていない格安プランを見逃す可能性があります。
さらに、大手旅行会社も活用しましょう。JTBなどの大手は、船会社との強いパイプを持っており、「一般には公開されない特別プラン」や「早期割引」を提案してくれることがあります。
プロに相談する最大のメリットは、「知らなかった選択肢」に出会えることです。例えば、「出発3ヶ月前の在庫処分セール」「リピーター向けの特別割引」「グループ予約の団体割引」など、個人では気づきにくい情報を教えてもらえます。
格安クルーズの落とし穴
「100万円以下」を謳う格安クルーズには、いくつかの注意点があります。価格だけで飛びつくと、100日間ストレスを抱えながら過ごすことになりかねません。
落とし穴1: 客室の位置
格安プランの多くは「内側客室(窓なし)」です。さらに、船内での位置が「エンジンの真上」「階段の真横」など、騒音や振動が激しい場所に配置されることがあります。毎晩エンジン音で目が覚める生活を100日間続けるのは、想像以上に過酷です。
落とし穴2: 食事の質
格安船では、メインダイニングの食事が「毎日同じメニューの繰り返し」「食材の質が低い」といったケースも。特に日本人の口に合わない欧米風の味付けが続くと、飽きるだけでなく体調を崩す原因にもなります。
落とし穴3: 船の老朽化
築30年以上の古い船を使っているクルーズ会社もあります。設備の故障が頻発したり、清掃が行き届いていなかったりと、快適性に大きな差が出ます。
| チェック項目 | 格安船 | 中級船 | 高級船 |
|---|---|---|---|
| 客室の広さ | 12〜15㎡ | 18〜25㎡ | 30㎡〜 |
| 食事の種類 | 2〜3種類/日 | 5〜7種類/日 | 10種類以上/日 |
| 船齢 | 20年以上 | 10〜20年 | 新造〜10年 |
| エンタメ | 最小限 | 劇場・プール | カジノ・スパ完備 |
これらを避けるためには、「安さの理由」を必ず確認することが重要です。予約前に、口コミサイト(Cruise Critic、トリップアドバイザー)で実際の利用者の声をチェックしましょう。
安心して選べる予約先

世界一周クルーズは高額な買い物です。「予約したのに倒産した」「トラブル時に日本語サポートがない」といったリスクを避けるため、信頼できる予約先を選ぶことが最優先です。
推奨する予約先の条件:
1. 日本法人があり、日本語でサポートが受けられる
2. 旅行業登録がされている(観光庁の監督下)
3. クルーズ専門の部署・担当者がいる
4. キャンセル保険や旅行保険の取り扱いがある
特に、出発前のトラブル(病気・家族の不幸など)でキャンセルせざるを得ない場合、キャンセル料が100%発生することがあります。信頼できる旅行会社なら、キャンセル保険の提案や、振替プランの相談に乗ってくれます。
また、ピースボートのような市民団体主催のクルーズは、一般的な商業クルーズと運営形態が異なります。参加前に、運営母体である株式会社ジャパングレイスの財務状況や過去の実績を確認することをお勧めします。最近は運営体制が強化されていますが、チャーター船特有のスケジュール変更リスクもあるため、柔軟な対応ができる方に向いています。
主要クルーズ船の料金比較
参考までに、日本で人気の高い世界一周クルーズの料金目安をご紹介します(2026年1月時点)。
飛鳥II(日本船)
– 料金: 500万円〜1,000万円/人
– 特徴: 日本語完全対応、和食充実、きめ細やかなサービス
– 対象: 日本の文化・言語に慣れたい50代以上の方
ダイヤモンドプリンセス(外国船)
– 料金: 400万円〜800万円/人
– 特徴: 日本発着コースあり、日本人スタッフ配置、豪華設備
– 対象: 国際的な雰囲気を楽しみたい方
ピースボート(チャーター船)
– 料金: 100万円〜300万円/人
– 特徴: 低価格、教育プログラム充実、若年層も多い
– 対象: 価格重視、国際交流に興味がある方
クイーン・エリザベス(英国船)
– 料金: 600万円〜1,200万円/人
– 特徴: 伝統的な英国スタイル、格式高い雰囲気、ドレスコード厳格
– 対象: クラシックな豪華客船体験を求める方
| 船名 | 料金帯 | 日本語対応 | 食事の質 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| 飛鳥II | 500〜1,000万円 | ◎完全対応 | ◎和洋折衷 | ★★★★★ |
| ダイヤモンドプリンセス | 400〜800万円 | ○スタッフ配置 | ○洋食中心 | ★★★★☆ |
| ピースボート | 100〜300万円 | ○日本人多数 | △シンプル | ★★★☆☆ |
| クイーン・エリザベス | 600〜1,200万円 | △通訳必要 | ◎最高級 | ★★★★☆ |
予算と優先順位(価格 vs 快適性 vs 日本語対応)に応じて、自分に最適な船を選ぶことが、後悔しない世界一周の第一歩です。
世界一周クルーズは100万円で可能かのまとめ
- 「100万円」は基本旅行代金のみ。実際の総額は200万円〜300万円以上が一般的です。
- 港湾税・チップ・通信費など、パンフレットに小さく書かれた追加費用が50万円〜100万円発生します。
- 通信費は「レンタルWiFi」や「eSIM」活用で、50万円〜90万円の削減が可能です。
- 寄港地観光を現地手配アプリで予約すれば、観光費を半額以下に抑えられます。
- 複数の旅行会社に一括見積もりを依頼し、最安値と最適プランを比較しましょう。
- 格安クルーズには「客室の質」「食事のレベル」「船の老朽化」などのリスクがあります。
- 飛鳥IIは500万円〜、ダイヤモンドプリンセスは400万円〜、ピースボートは100万円〜が目安です。
- 信頼できる予約先を選び、キャンセル保険や日本語サポートの有無を確認することが重要です。
- 賢く節約すれば、浮いた費用で高級レストランや特別な体験を楽しめます。
- 「安さ」だけでなく「総額のコントロール」と「満足度」のバランスを重視しましょう。

